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2011年03月 アーカイブ

2011年03月01日

一部解体開始

2010年5月29日

木造の伝統的な工法で残ってきた貴重な存在の住宅です。

全体を解体後に新築しても現状で残されているほどの円熟した木材が揃うことは考えられない、庭園とのマッチングを考えてもあまりにももったいない。

ということで、多少の困難はあっても、東の設備部分が集中する部分は解体して現代風にアレンジ、外観全体もリニューアルします。

この日は解体の開始の日です。

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足元の状況

2010年5月29日

解体の日に建物の耐震上最も重要な足元の状況を確認しました。

写真の位置は水周りから離れた位置ですが、床下は防湿コンクリートが打たれていたこと、

もともと床下が乾燥している土地柄であること、外周土台下は伝統工法にありがちな束石基礎ではなくコンクリートの布基礎となっていたこと、

土台の腐りもほとんど無かったこと、通し柱の脚部も腐朽が進んでなかったこと、などなど。

これならば耐震補強をすれば充分延命が期待できそうであることを確信しました。

そんな解体の一日でした。

しかし私の思いをよそに建築主ご夫婦は荷物の整理でお忙しそうでした。


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2011年03月02日

基礎配筋検査

2002年2月8日

べた基礎の配筋検査の日です。

誰しも口にする「基礎が大切」という言葉、建築主には見えてないことが多い基礎の施工精度が及ぼす建物全体への影響、コンクリートや鉄筋の強度だけでなく芯ズレやレベル。

設計図通りというのは当然ですが、施工者側の技術の差による影響はさすがに「建築士さんにお任せするより仕方ないですね」・・・毎回建築主さんはおっしゃいます。

ただただ鉄筋が並んでいるだけにしか見えないかもしれませんが、多くのことが隠れています。

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基礎コンクリート打ち

2002年2月8日

配筋検査の日の午後、コンクリート打ちでした。

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2011年03月03日

敷地調査

2009年6月15日

この日は最初メールで連絡をいただいてからお会いして、敷地の位置や希望などのヒヤリングを終えて役所で敷地の属性を調査の上、どんなプランが良いかを頭に描きつつ現場に立ちました。

周囲はごらんのように広々した田園風景が広がっています。

市街からはちょっと離れていますが、5分も歩けば近くには小学校やコミュニティーセンター、木曽川もあります。

買い物にも車を使えば10分もすれば不便は無いという私の住んでいる地域から見れば羨ましいくらいでした。

夏には花火大会が近くであり、それを踏まえた設計も条件の一つです。

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2011年03月04日

玄関、居間部分の小屋組

2010年6月2日

解体で現れてきた東面下屋部分、改修後は玄関と居間となる部分の小屋組です。

屋根の野地板を受ける垂木から下の、母屋、梁は丸太組となっており、通し柱、管柱はじめ個々の材料の寸法は現代の木造に比べると頑丈に組まれています。

構造計算をやっていると見えてくる当たり前のような事実ですが、部材のボリュームが大きいことは耐震性を確保する上での間違いの無い第一条件です。

計算上の合理性が成り立ってもこれに勝るものは少ないようです。

左下に見えるケヤキの化粧の梁は建築主さんの思い出の象徴、残してほしいという希望もあり新しい玄関の内装を飾ることになっています。

ケヤキ材が時間の経過を経て美しく変化したものが多く見られるのも伝統工法の特徴です。


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解体残存部分

2010年6月17日

解体したのは東側の水周り部分を中心に時代の流れで古くなって一番更新の必要のある部分です。

新しく増築するのは浴室、洗面所、トイレ、ダイニングの一部、勝手口などで、残存部分の東と北側を取り囲むように接続します。


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2011年03月07日

基礎コンクリートの打設

2002年2月20日

コンクリートの打設の日です。

スランプ(コンクリートの硬さ施工性)、空気量(コンクリート内の空気の量、密度)、塩分濃度(コンクリート内の塩分割合、塩分が入っているとアルカリのコンクリートには最悪)、温度、など打設するコンクリートを現場で確認します。

品質に問題のあるコンクリートのことでマスコミを騒がせることのある昨今、住宅では現場で品質を確認することの少なくなった現状に反して、偽装問題の根絶に協力しようと頑固にこのテストを実行しています。

他の建材とは違いコンクリートばかりはこの段階での品質確認が大切です。

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木材検査

2002年2月7日

木材検査の日です。

木造の建物を工事監理して木材の良し悪しを確認しないことがあるとすれば、アンパンの餡を入れないのと同じ、ところが木材を吟味できない建築家が多いのをご存知ですか。

杉は産地によって強度が2割以上違います。

今回は福井県の勝山の杉ですが、奈良県の吉野杉の大木などはヒノキのような強度をもっています。

木材を見ていると懐かしさというか包まれるような安らぎを感じるのは私だけでしょうか。

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2011年03月08日

建て方

2002年3月8日

建て方の日です。

住宅の建築では他の種類の建築とは違った趣のあるメインイベントのひとつです。

木造の軸組み工法ならではの伝統的な木槌の音が青空に響きます。

現場を管理する監督さんにとっては緊張の日ですが、この日ばかりは建築主も施工者も私たち設計者も今までの苦労が結実する充実感を味わう一日でもあります。

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下は2階の小屋組みのディテールです
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建て方、その2

2002年3月8日

土台と柱の継なぎ目部分のディテールです。

基礎にアンカーボルトを埋め込んでおき、土台を貫通させてホールダウンという金物で柱と緊結します。

地震が起きたときには水平方向の力が建物に作用して全体を倒そうとしますが、ホールダウン金物により基礎と柱、壁が一体的に抵抗してくれることになります。


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2011年03月09日

現地調査

2009年11月2日

敷地の詳細な寸法調査をするために現地を訪れました。

道路の幅、水路の幅、深さ、敷地と道路の高低差、道路や敷地の勾配などの測量と共に重要なのが、土地の方位や水路の水がどちらへ流れているか、道路の雨水がどちらへ流れるか、など自然現象との取り合いです。

建物にどのように太陽が当たるか、台風のときどちらから風が吹き付けるか、大雨で水路が溢れる事がないか、などです。

これらのことは使いやすさやデザイン、災害に備えた設計を考えるという意味だけではなく、建物に取り入れるエネルギー、太陽や風のことも考えます。

そこまでいくと設計の意味、裾野の広がりを感じませんか。

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既設の土台と基礎

2010年5月29日

既設建物の土台と基礎のアップ画像です。

ご覧のように土台には保護塗料がすでに塗布されており、基礎はコンクリートになっております。

建築主さんによれば、以前床を上げて床下一面のメンテナンス工事を行ったことがあったそうです。

先代のお父様は建築を業としているわけでもないのに賢明な方であったことが窺い知れます。

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2011年03月10日

外部足場組

2002年3月25日

建て方終了後、建て入れで建物の垂直水平方向をキチンと安定させて屋根と外部工事のための足場を組み上げました。

瓦も葺き始めました。

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下は2階の居間部分の天窓を下から見上げた部分です。

杉の化粧板はそのまま居間の天井となります、瓦を葺く前に防水シートや断熱材は施工してあります。

この時点ですでに明るい光が差し込んでいます。

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2011年03月11日

屋根工事

2002年3月25日

屋根の太陽光発電パネルの納まりです。

捨ての水切や内臓樋など雨漏りの無い構造になっています。

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下は瓦のディテールです。

こういった寸法の詳細も実は建物全体の雰囲気や印象に大きく影響し行きます。

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2011年03月12日

構造金物検査

2002年4月1日

古くから知られていた事実ですが、阪神淡路震災以後、木造の軸組み工法の耐力壁のバランスと、その力の連携を保証する部材相互の継ぎ手を箇所ごとのかかる応力により設定取り付けを徹底することを厳しく義務付けられました。

見えにくいかもしれませんが、柱の頭と梁の接合部に見えているのはホールダウン(引き抜き金物)です。
これは一箇所について10kn(1トン)以上の耐力を発生します。

意匠ばかりを追求している商業主義かとも思える同業設計者がいます、少ないとは思いますが構造面の軽視はいただけませんね。


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下は造作が始まった内部の様子です。

床組みの下にはべた基礎のスラブが見えていますが、きれいに乾いていて湿度を感じませんでした。

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基礎の補強

2010年6月17日

玄関脇の通し柱の根元の状況です。

この根元全体に渡り鉄筋コンクリートの土間を作って、金物にて足元からアンカーする計画です。

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南面の広縁下部の状況です。

既設の基礎コンクリート部分の脇を掘ってありますが、ここに角型の地中梁配筋をしてコンクリート打ち込みます。

柱の根元と同様に金物にてアンカーします。

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2011年03月14日

外部化粧木部造作

2002年4月19日

玄関の庇部分が南へ張り出している部分のデイテールです。

外壁を貼る前に施工しておく必要があります。

はね出す寸法を確保するためにこのような金物の使用の仕方をしています。

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地鎮祭

2010年10月8日

地鎮祭の日です。

すみません、記念の日でしたが肝心な建築主のご一家おそろいの写真がありませんでした。

敷地周囲のみなさんへの挨拶回りも済ませて、建物の位置を地面にロープで引っ張っておいたのを目安に確認をしていただきました。

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2011年03月15日

銘木の検査

2002年5月22日

天井の杉板や玄関の飾りの竹など、和室室内に造作工事で見えてくる化粧の部分の材料については、現物を確認しないことには出来上がったときがイメージできません。

設計図には詳細に仕様は書き込んでいますが、施工者によってその解釈に幅のある材料については実際の施工直前に確認しておくのも設計監理の仕事になります。

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2011年03月16日

外壁下地

2002年4月25日

外壁の下地には構造用合板(針葉樹合板)を張りました。

よく知られている「筋交い」とほぼ同じ役割を担う部材ですが、筋交いは柱や土台と金物でシッカリ留まっていなければ地震の起きたときに耐力壁として機能しません。

柱や土台から脱落した直後にその意味がなくなりますが、構造用合板やダイケンのダイライトなどその他の認定構造面材は、柱と土台と梁の囲まれた面を複数の釘で留めることにより粘り強い耐力壁を実現できますのでこちらの工法をお奨めしています。

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基礎補強工事

2010年6月23日


既設建物東側の居間となる部分の既設の基礎は、既設基礎を解体の上コンクリート基礎を作り直します。

既設の建物を浮かした状態で基礎を差し込むような工事ですが、耐震性能を確保するためには重要な工事となります。

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7月8日の上と同じ位置の配筋工事の状況です。
新築のべた基礎と同じように全面をコンクリート耐圧盤として、その立ち上がりに既設の柱を金物で固定してゆきます。

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2011年03月18日

屋根工事

2002年4月1日

屋根工事での、防水はゴムアスファルトルーフィングという伸縮性と粘着性のある材料で、瓦が無くっても雨はその下へもぐってこないほどの防水性です。

瓦は、一文字葺きとしますが、瓦の留めつけるピッチや並びの規則性、壁際の納まり、壁際の防水の立ち上がり寸法など、多くのチェック項目があります。

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軒先の部分の瓦の揃いは直線が綺麗に出ているかを確認しておきます。

完成後に建物の水平線がすっきり見えていると安定感が出て落ち着きのある外観になります。

これは日本建築の日本建築であるという主張です。

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2011年03月19日

内部の造作

2002年4月17日

以前ご照会した2階の居間の空間が確認できるところまで工事が進んできました。

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下は軒先の庇ハネダシ部分のアップです。

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ベランダの防水工事が進行しています。

地震など振動で動く可能性のある軸組み部分からは離して独立した形で設置しておきます。

素材はFRPですが、工場加工で継ぎ目の無い箱状にしてしまいます。

公園の池に浮かぶボートの形状だけが違うものをここに運び込んでいると思ってください。

漏水は木造の敵です!

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2011年03月20日

外壁下地

2002年5月1日

構造用合板に透湿防水シートを張ります。

書いて字のごとく湿気は通すが水は通しません、壁内の湿度は行き来するが雨は漏りません。

これは断熱工法には不可欠な性能、隠れた逸材です。

この外は縦に外壁材料を固定するドウブチは止めます。

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2011年03月21日

外壁サイディング

2002年6月22日

透湿防水シートの上に縦のドウブチを打ち、通気層を作ります。

それに外壁のサイディングを金物で留めることになります。

この通気工法は断熱を良くするためのものですが、同時に雨水の浸入を防ぐことにもなります。

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和室地窓の外部のディテールです。

外壁が西に向いているときは風の流れを意識して地窓を作ることにしています。

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2011年03月23日

地盤改良工事

2010年10月13日

地盤改良工事の日です。

表層改良といって現地の土と石灰分主材の地盤改良材を混合してべた基礎の耐圧盤の下に、さらに1.8mの石灰の硬い座布団を敷くようなものです。

地盤改良工事終了後にコア抜きといって現場の資料を採取して強度を確認しておきます。

この現場の地盤調査の結果では、木造の建物の重量を安全率を見込んで延べ面積1m2に対して2トンと考えると、それに対して充分な処置と判断しています。

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下の写真のようにローラーで転圧をかけます。

べた基礎下部の地中梁のへこみの形状が見えています。

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基礎ホールダウン金物

2010年7月8日

既設のコンクリート基礎に添わせるように地中梁配筋を行い、柱にホールダウン金物を固定して、さらに既設の基礎と新しい基礎はホールアンカーを打つことにより一体化をします。

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柱だけでなく土台も土台用のアングル形状のアンカー金物で基礎と連結します。

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2011年03月25日

外壁サイディング完了

2002年6月29日

外壁サイディングが完了してきました。

この日は西側の方向から全体の姿を確認してみました。

現場での打ち合わせが細部の納まりに集中しているときは、必ず建物全体が見られる場所に行って落ち着いて深呼吸してから、全体と細部をつぶさに見てみるといい案が浮かぶものです。

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2011年03月26日

天井板

2002年6月29日

和室の天井板の確認の日です。

仕上げをイメージしてインテリアを頭の中で組上げていくには、どんな材料も実物の見本を見ておくことがコツです。

綺麗な杉板の突き板でした。

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2011年03月27日

井戸

2010年7月9日

既存井戸部分の配筋の状況です。

祖先より受け継いでこられた大切な井戸です。

完成後には玄関室内に残ることになりますが、井戸水を利用できるだけでなくオブジェとしても家の象徴として存在感を維持することが重要です。

井戸水が出ることを確認したうえで水中ポンプと上部の納まり、配管の方法、メンテナンスの方法を検討のうえ、この配筋方法となりました。

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2011年03月29日

和室天井仕上

2002年7月17日

この住宅の意匠上の面白い部分は、1階は「伝統的な和風」を2階は「現代的な和風」をそれぞれ感じさせてくれることです。

その意味で天井の仕上げは、それを象徴する部位です。

この日はそんな思いを秘めて和室の仕上げを点検に来ていました。

床の間部分の天井と南の和室の天井です。

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2011年03月31日

台所のトップライト

2002年7月31日

まだまだ造作進行中ですが、台所のトップライトの明るさを撮ってみました。

このトップライトは東を向いていますがお隣の家があり熱量のある直射日光が入ることは少なく、明るさは抜群です。

家のあちこちを昼間でもスポットが入ったように明るくするのが私の設計の考え方です。

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木造の場合は、造作の工程でこまめに現場を覗いて大工さんと打ち合わせするのがコツです。

そうでないと設計の意図が変わってしまう可能性が高いのです。

したがって距離の離れた現場の工事監理は難しいのかもしれません。

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